私の経歴
はじめまして、ビジネス書作家の難波義行です。
作家の仕事がないときは、中小企業診断士という仕事をしています。
「売れっ娘ホステスの…」という夜の方向け書物をきっかけに、今は会話に関する書物を執筆している私の経歴を、ざっとお伝えします。
私は、昭和42年岡山市生まれで、高校生のころからショーパブでシンガーのバイトをしていました。20歳のころ、そこそこお客がついたので30席ほどの小さなスナックを始めました。
スナックの売り物は「楽しい時間を提供すること」です。
そのためには、「お客が楽しくなるように会話すること」が求められます。
そして、お客からみて一番不要な店員はマスターである私です。
ですから、店員であるホステスに話し方を教えてお金を稼げるように教育するのが私の主業務となりました。
夜の世界というのは、危険なことがたくさんありますし、20代前半の自分と、その同世代の店員たちだけで議員さんや大手企業の支店長を楽しませるのですから、それなりに大変です。
また、「流れる水のように売上が不安定」だから<水商売>と呼ばれるのですが、お店の人気を保って儲け続けようとすると、胃が痛みます。
そのうち、「いずれは手に職をつけて、別の商売をやろう」と考えるようになり、27歳のとき、目標としていた貯金ができたので上京しました。
それから何年か料理の勉強をして、やがて飲食店を始めました。
本を書いたきっかけ
何店かお店を経営しているうちに、中小企業診断士という職業の存在を知りました。
簡単に言えば「経営コンサルタントの国家資格」です。
その資格を得るために勉強を始めたのですが、思うように点数が伸びませんでした。
そんなとき、ある模擬試験で「解答したい趣旨は正解に近いが、文章で表現できていない」と、添削に書いてありました。
私は大学に行っていないので、論文の書き方を知りません。
慌てて、文章の書き方に関する書物を読み漁りました。
そのうち、「一度でいいから、長い文章を書けば、上手くなるのでは?」と思うようになりました。
当時、うちのスナック出身で東京や大阪でヒットしたホステスが何人かいたのですが、その娘たちの紹介もあって、夜のお店で話し方のトレーニングを行うバイトをしていました。
その仕事を行いながら、「最近、軽い気持ちでこの商売に入ってくる娘が多いな」と感じることがありました。
ちょうど「キャバクラの経済学」という本が大ヒットし、キャバクラ関連のドラマや報道番組が増えた時期です。
私は、このことに関してなら、いくらでも言いたいことがあると気づきました。「この業界をなめるなよ!」「お客を騙して儲けるのは、間違いだ!」「本当の水商売とは、こうあるべきだ!」といった強い思いを、論文として書きました。
ビジネス書ランキング 月間1位!
書き出すと、すっかり忘れて没頭してしまいました。
書き方に関する書物を読みながら進めるうちに、「本にしたい!」と感じ始めました。書き終えて約半年、荒い論文は人様に読んでいただけるような文章に変身し、「売れっ娘ホステスの育て方」というタイトルで出版されました。
これが、やたらに売れました。大手書店様のビジネス書ランキングで、ベスト10に入りました。
とある書店の本店では、月間1位を記録しました(大手書店の本店の所在地近くには、必ず大きな繁華街があることも影響しているでしょうが)。
ホステス本から、会話本へ
「売れっ娘ホステスの…」というタイトルの本を何冊か続けて書きました。
同じ冠の本で他の著者が書いた本も出ましたし、「NO.1ホステスが…」「歌舞伎町の伝説キャバ嬢が…」といった類似本もたくさん出ました。
伝えたかったことは書いたので、断筆していたところ、「最初の本は育て方でしたけど、話し方に絞って一般の方向けに1冊どうですか?」と、出版社様からお声がけいただきました。
それが、「一流芸能人がやっている ウケる会話術」という本です。
そこそこ売れたあと失速したのですが、一流芸能人である有田様とホリケン様がテレビ番組で誉めてくださり急上昇、当時めずらしい電子書籍として販売したところ、1週間で1万部を販売し、久しぶりに週間ランキングのトップになりました。
それ以降は、「ひな壇芸人のトーク術」「タモリさんに学ぶ 話がとぎれない雑談の技術」といった、<お手本となる芸人をテレビで観ながら、会話上手になる方法>を説明する本を出版しています。
最近の私
「タモリさんに学ぶ…」と「ひな壇芸人の…」は、雑誌社の方との御縁を作ってくれました。
時々ですが、特定の芸能人をピックアップした記事に、意見を求められるようになりましたし、記事を書くようにもなりました。
ただ、ふだんは中小企業診断士として、市役所や商工会議所からお仕事頂いているので、ペンネームで作家として活動していることを周囲に隠していました。
しかし、東京を離れて地元の岡山市で生活するようになったことを機に、カミングアウトしました。
すると、「話し方教室」「コミュニケーションの取り方」といったセミナーのお仕事を頂けるようになりました。
ざっとですが、週に1回はどこかでセミナーを行っています。
ホステスに会話を教えるバイトをしていた私が、大きな企業様から同じようなお仕事を頂くのは、不思議な気がします。
私の思う雑談の定義

私は会話、とりわけ雑談について教室を開いているのですが、話し方を分類すると図表のようになると考えています。
仲良くなるための会話、それが雑談です。
そして、上司が雑談上手になると、企業成果にも影響があると考えています。

この仕事への思い

会社は多くの従業員で成り立っていて、従業員の満足度が高くないとチームワークが悪くなったり、離職率が高まって余分な業務が増えたりして、成果が出にくくなります。
そして、従業員の満足度を高めるには、図表にある3つの要素が重要だと思っています。
やりがいのある職務を与えることも、処遇を改善することも、私にはできませんし役員以外の従業員にもできません。
みんなが取り組めることで、みんなのためになること、それが「やりやすい環境」を作ることで、その一環としてコミュニケーションを良好にすることのお役に立ちたい。
そんな気持ちで、みなさんとお会いしています。
これからの私

中小企業診断士になるとき、人事論や組織論について学びました。
最近は、その知識を深めるために分厚い本を読んだり勉強会に参加したりしています。
心理学や行動科学も学び始めました。
心理学の本などは水商売出身の私から見れば、「こんな当たり前のことを、こんなに難しく書くんだ」と思うこともありますし、組織論を読みながら「へえー、こんな考え方があったんだ!」と思うこともあります。
それらの新たな知識をまとめ、出版物にしたり、セミナーの幅を拡げたりしたい。
これが今の目標です。